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血塗られた歴史?ロンドン塔(イギリス)

投稿日:2016年6月29日 更新日:

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ロンドン塔の概要

ロンドン塔は、イギリスの首都のロンドンを流れるテムズ川の岸辺、

イースト・エンドに築かれた中世の城塞。

正式には「女王陛下の宮殿にして要塞」と呼ばれるように、現在も儀礼的な武器などの保管庫、

礼拝所などとして使用されている。

世界最大級のカット・ダイヤモンド「カリナン」はここで保管されている。

現在もイギリス王室が使用している宮殿であるが、ロンドン観光の目玉になるほど観光客も多く、

内部にある建物の幾つかは、世界最大のダイヤモンド「偉大なアフリカの星」など

様々な歴史的展示物を陳列して、見学できるようになっている。

1988年にはユネスコの世界遺産に登録されている。

もともとは要塞として建築されながら、宮殿、監獄、処刑場、武器庫、宝物庫としても利用されたほか、

その後、銀行、動物園、造幣所、天文台としても利用された歴史を持っています。

すぐ近くには、世界的にも有名な跳ね橋であるタワーブリッジがある。

ロンドン塔を構成する主な塔櫓・建物

ホワイト・タワー
トレイターズ・ゲイト(叛逆者の門)
ソルト・タワー
ブラッディー・タワー
クイーンズ・ハウス
ビーチャム・タワー
ロウワー・ウェイクフィールド・タワー
セント・ピーター・アド・ヴインキュラ礼拝堂
ウォータールー兵舎

ロンドン塔のホワイト・タワー

1241年に建てられた当初は巨大な石作りの姿からグレート・タワーと呼ばれたが、

後に白い漆喰で塗り固められ真っ白な姿となったために「ホワイト・タワー」と呼ばれるようになった。

さまざまな大きさの塔、二重の城壁、深い堀などが造られ難攻不落の要塞となった。

塔は王たちの王宮だったが、頻繁に起きた反逆や跡目争いの中では、

このホワイト・タワーを手中にしたものこそが、勝利を収めるともいわれていた。

現在はホワイト・タワー内にはイギリスの、世代の王たちが愛用した剣、

鎧とともに、世界から集められた武具も展示されている。

そして1613年に徳川幕府の2代将軍徳川秀忠から

ジェームズ1世へ贈られた日本の鎧かぶとも展示されています。

王たちの顔マスク、愛馬たちもほぼ等身大で立ち並んでおり博物館として開放されている。

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ロンドン塔のロウワー・ウェイクフィールド・タワー

地下にあたり、暗くひんやりと湿気た塔の中は牢獄と拷問器具の展示でいっぱい。

ロンドン塔が持つ暗い過去をもっとも伝える場所だ。

実際に使われていたという拷問具は、その使用方法が具体的に説明されていて背筋を凍らせる。

しかし、ロンドン塔一帯の中でも人気が高く、拷問具の説明文の前にはいつも人だかり。

ロンドン塔のウォール・ウォーク

要塞として建設されたロンドン塔は、巨大な城壁で囲まれており、

それらは防衛の役割を果たしてきた。

東側の城壁を巡るルートでは、城壁の一部を成す塔のそれぞれが、

13世紀以来どのように使われてきたかを見ることができる。

ロンドン塔のビーチャム・タワー

ビーチャム・タワーは、城壁の一部としても機能している塔で、

牢獄として使われたことが多かったことが、その構造からも残されたサインからも読み取れる。

タワー内にある扉は小さく、比較的小柄な人であっても肩や頭をすくめながらでないと通れない。

さらに狭く細い階段を上っていかなければならない。

古いままに遺された石壁には塔内に投獄されていた囚人たちが残した文字や図柄があちらこちらにある。

彼らのほとんどが処刑されたことを考えると、一種のダイイングメッセージ?

ロンドン塔のブラッディ・タワー

「血まみれの塔」という名から、多くの血を吸いこんできたかと思いきや、内部は意外に快適。

都会のワンルームに比べればゆったりと読書ざんまいの生活が送れそうだ。

塔から出ることは許されないが、高貴な身分の囚人が幽閉されることが多かった。

実際の処刑の多くは外の広場で行われていた。

ただ、正当な処刑理由がないまま幽閉され、ひそかに暗殺された貴人も多い。

ブラッディ・タワーでは、15世紀後半にエドワード4世の二人の息子である

エドワード5世幼王とその弟リチャードが幽閉された後行方不明となった事件が有名。

リチャード3世が、王座を手に入れるため二人を暗殺したと考えられている。

その遺骨と推定される骨は、200年後にようやくホワイトタワー内に

埋められていたのが白骨化して見つかったという。

ロンドン塔の西側エントランスとトレイターズ・ゲイト

ウェスト・ゲート周辺は、要塞としてのロンドン塔の防衛機能を見ることができる。

ウォーター・レーンにあるトレーターズ・ゲート(反逆者達の門)は、

エリザベス1世や「ユートピア」の著者トマス・モアなど、

反逆者として捕らえられた多くの著名人達がくぐり抜けた暗い歴史を持つ門である。

ロンドン塔のタワー・グリーン

タワーと呼ぶが実は広場。

ほとんどの囚人は城外の広場で公開処刑にかけられたという。

また、その処刑方法は絞殺後に腹部を裂いた後手足を引っ張って体を割くという凄惨なものだったらしい。

一方で貴族や王族などの身分の高い囚人に対しては、暗殺以外には名誉ある斬首刑が

「タワー・グリーン」と呼ばれる広場で行われていた。

ロンドン塔のクイーンズ・ハウス

ヘンリー8世の2番目の妻となるアン・ブーリンのために建てられた宮殿。

皮肉なことに彼女が処刑されたタワー・グリーンの目の前に位置する。

男児を生むことができなかった王妃は、姦淫と反逆の罪を着せられて処刑される前、

このクイーンズ・ハウスに幽閉されて過ごしたという。

アン・ブーリンは、冤罪だったこと、幽霊の目撃報告が多かったことで

悲劇の女王として語られる。

ロンドン塔のワタリガラスの伝説

17世紀のこと、チャールズ2世がロンドン塔に棲みついたカラスの駆除を命じます。

しかし占い師がカラスがいなくなると英国が滅びると予言。

以来、カラスは英国王室の守護神として大切に飼われてきました。

ロンドン塔でヨーマン・ウォーダーのツアー

ロンドン塔に入場してすぐの場所に「ヨーマン・ウォーダー・ツアー」の集合場所があります。

ツアーは30分ごとにあり、所要時間は約1時間。

ヨーマン・ウォーダーが独自に考え工夫を凝らした「パフォーマンス」で見学者を歴史の中にいざないます。

だからコースは同じでもヨーマン・ウォーダーによって内容は千差万別。

何度聞いても新しい発見があるし、コメディー・ショーを聞いているように面白おかしく話してくれます。

ヨーマン・ウォーダーとは、22年以上軍隊で勤務した退役軍人の名誉職で、

ロンドン塔の夜警などの任務をしている。

ロンドン塔のアクセス

タワー・ヒル駅より徒歩約1分。

タワー・ヒル駅を降りると道路の向うにロンドン塔が見えます。

ロンドン塔の外壁をぐるっと回ってテムズ川方面の入口へ向かいます。

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