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世界最古の木造建築!法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)

投稿日:2016年7月1日 更新日:

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法隆寺地域の仏教建造物の概要

法隆寺地域の仏教建造物は、奈良県生駒郡斑鳩町にある法隆寺および法起寺(ほっきじ)の建造物から構成される世界遺産。

この遺産には法隆寺の建造物47棟と法起寺の三重塔を加えた48棟と法起寺に属する11棟の建物が含まれる。

そのうち8世紀以前に建造された11棟の建物は、現存する世界最古の木造建造物である。

法隆寺をはじめとするこの地域の仏教建築物は聖徳太子と縁が深く、

中国の六朝時代の建築の影響を多大に受けている。

特に、法隆寺の西院伽藍は、建築年代に諸説あるが世界最古の木造建築として国際的にも著名である。

法隆寺地域の建造物は日本で最初の仏教寺院群

聖徳太子ゆかりの寺院を含むこの地域の建造物は、日本における最初の仏教寺院群であり、

その後1300年にわたる日本の仏教建築の発展に多大な影響を及ぼしてきた。

7世紀から8世紀にかけて建造されものには、北魏(ほくぎ)や唐などの時代に中国で発展した建築様式が見られる。

さらに、西院や五重塔の一部に建物の柱にエンタシスの技法が見られ、日本と中国、東アジアにおける密接な建築上の文化交流が伺える。

法隆寺地域の仏教建造物の柱のエンタシス技法

柱の中央部分を膨らませたギリシャのパルテノン神殿などで見られる巨大建築物にみられる建築技法。

法隆寺南大門の柱や唐招提寺金堂の柱に用いられ、安定して見える。

法隆寺地域の仏教建造物はなぜ作られた?

斑鳩(いかるが)の地に法隆寺が建立されたのは607年のことで、

推古天皇と聖徳太子が用明天皇の病を治すために、

薬師像を祀る斑鳩寺(現法隆寺)の建築を進めたことが始まりとされています。

法隆寺地域の仏教建造物は火災で焼失した?

用明天皇のために創建された最初の法隆寺は、創建から64年後の670年(天智天皇9年)に

火災で焼失したと日本書紀に記されていおり、現在の法隆寺は672年から689年にかけて

再建を始めたものとされています。

法隆寺地域の仏教建造物を建てた聖徳太子(厩戸皇子)はどんな人?

推古天皇の摂政として、憲法十七条や冠位十二階の制を定めるなど、律令国家の基礎を築いた人物として有名です。

さらに遣隋使を派遣し、当時は異国の宗教であった仏教を取り入れるなど、外国との交流も積極的に進めました。

母の穴穂部間人皇女が厩戸で太子を出産したため、厩戸皇子とも呼ばれたといわれています。

なお太子の生前は法隆寺は「斑鳩寺(いかるがでら)」という名で、現在名になったのは

天智9(670)年に大火で全焼した跡、天武9(680)年の金堂再建がなってからです。

聖徳太子がまつられた東院伽藍の夢殿

聖徳太子の住まいであった斑鳩宮跡に、太子の遺徳をしのんで作られたのが法隆寺東院伽藍です。

その中心をなすのは、八角形の円堂「夢殿」には内部の厨子には聖徳太子の等身と伝わる

秘仏・救世観音像が安置されています。

そして周囲を乾漆の行信僧都像などが取り囲んでいます。

厨子の内部は毎年春と秋の特別開扉の時期

(10月22日から1ヵ月間の“夢殿本尊秋季特別開扉”の時期)にしか見ることはできません。

法隆寺地域の仏教建造物の西院伽藍は国宝づくし

どっしりした「南大門」をくぐると、左右に日本最古の金剛力士像が立つ「中門」が出迎えてくれます。

中門と廻廊に守られた西院伽藍の内側には、「金堂」と我が国最古の「五重塔」が。

金堂では聖徳太子のために造られた釈迦三尊像など国宝の仏像群や、

天女や鳳凰が舞う天蓋が一件の価値あり!

釈迦三尊像は上御堂で公開中。

西院伽藍西側の「西円堂」や、国宝の数々が展示される東側の「大宝蔵院」とあわせて巡りましょう。

法隆寺地域の仏教建造物の法起寺はどんなもの?

法起寺は7世紀に創建された寺院ですが、いまは706年に完成した三重塔のみが残っており、

法隆寺西院と同様、初期の仏教建築様式による建物です。

聖徳太子が法華経を講義したと言われている岡本宮を息子である

山背大兄王(やましろのおおえのおう)が尼寺として改めたものが法起寺です。

伽藍の並びが法隆寺とは逆になっていて、法起寺式と呼ばれています。

法起寺の門の目の前にはコスモス畑が広がり、花の季節には、

コスモス畑の向こうの三重の塔が見事なコントラストをかもしだし、

境内からなかりではなく、外から見ても素晴らしい眺めになります。

この風景はかつてCMにも使用されました。

世界遺産に登録されているわりには参拝者が少ないので、ゆっくりと落ち着いて見ることができます。

法起寺の周辺も、北側に小さな集落がある以外は農地になっていてゆったりとした時間が流れています。

法起寺の三重塔について

法起寺の三重塔は、三重塔としては日本最古かつ最大規模のものとして知られているが、

着工年は法隆寺の五重塔の方が古く、世界最古の木造の塔は法隆寺の五重塔とされている。

法隆寺地域の仏教建造物の世界遺産登録はつい最近

法隆寺金堂・五重塔など建造物は1897年の古社寺保存法制定により、国指定文化財として保護され、

第二次世界大戦後の1950年に制定された文化財保護法により国宝および重要文化財に指定されている。

世界遺産への登録は1993にされた。

法隆寺地域の仏教建造物の草花

法隆寺は、季節ごとにきれいな草花で私たちを楽しませてくれます。

春には水仙や枝垂れ桜、初秋には真っ赤な彼岸花が咲き誇り、

秋にはススキの穂が風にそよぎ、真っ赤に実をつけたモチの木や紅葉が美しい景観を作り出します。

法隆寺の詳細

住所:
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1

拝観時間:
8:00~17:00(2月22日~11月3日)
8:00~16:30(11月4日~2月21日)

拝観料金:
一般1000円、小学生500円(西院伽藍、大宝蔵院、東院伽藍共通)

アクセス:
・JR法隆寺駅「法隆寺門前」行き「法隆寺門前」下車、
・JR王寺駅「春日大社・奈良」行き「法隆寺前」下車、
・近鉄奈良駅「JR王寺駅」「法隆寺」行き「法隆寺前」下車

法隆寺から法起寺までは徒歩:
JR法隆寺駅より約2.5kmです。徒歩30分ほど。

法隆寺~法起寺~古都奈良の文化財は奈良・西の京・斑鳩回遊ライン(奈良交通)が利用できる

祭事案内:
金堂修正会(1月8~14日)、
金堂壁画焼損自粛法要(1月26日)、
三蔵会(2月5日)等、多数の諸行事有り。

法起寺の詳細

住所:
奈良県斑鳩群斑鳩町大字岡本1873

拝観時間:
8:30~17:00(2月22日~11月3日)、
8:30~16:30(11月4日~2月21日)

拝観料:
大人300円、子供200円

アクセス:
JR法隆寺駅より近鉄群山駅行きバス「法隆寺前」下車

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