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実はフランスと関わりが深い、宮島 嚴島神社(広島)

投稿日:2016年7月3日 更新日:

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宮島 嚴島神社の概要

松島・天橋立とならび、日本三景のひとつとして知られる景勝地である。

嚴島神社は海を敷地とした大胆で独創的な配置構成、

平安時代の寝殿造りの粋を極めた建築美で知られる日本屈指の名社です。

廻廊で結ばれた朱塗りの社殿は、潮が満ちてくるとあたかも海に浮かんでいるよう。

海上に立地し、背景の山容と一体となった景観は平安時代の代表的な資産で、

背後の弥山の緑や瀬戸の海の青とのコントラストはまるで竜宮城を思わせる美しさです。

嚴島神社は12世紀に時の権力者である平清盛の造営によって

平安時代の寝殿造りの様式を取り入れた優れた建築景観をなしています。

宮島 嚴島神社の歴史

嚴島神社社殿は、推古天皇の時代に佐伯鞍職による創建と伝承されています。

嚴島神社の社殿の基礎が確立したのは平清盛が久安2年(1146年)に安芸の守に任官し、

その一門の崇敬が始まってからです。

都から後白河上皇、建春門院、中宮徳子、高倉上皇、建礼門院を始めとする

皇族や貴族が訪れたので、都の文化や建築が宮島に入ってきました。

現在も嚴島神社に伝承されている舞楽は大阪四天王寺から移されたものです。

嚴島神社の社殿の主要部分はほぼ平安時代に造営されましたが、その後2度の火災に遭い、

現在の本社本殿は元亀2年(1571年)、客神社は仁治2年(1241年)の建築です。

細部にはそれぞれ時代の特色が見られますが、全般に造営当初の様式を忠実に守っており、

平安時代末期の建築様式を知ることができる貴重な遺産です。

宮島 嚴島神社はフランスのモン・サン=ミッシェルと姉妹遺産?

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厳島神社のある宮島は、実はフランス人に人気の観光スポット。

広島県を訪れる外国人観光客は圧倒的に原爆ドームや原爆資料館が人気だが、

フランス人は、厳島神社を強く支持している。

実は日仏交流事業で、フランスのモン・サン=ミッシェルと

相互プロモーションをしていることが関係している。

モン・サン=ミッシェルと宮島は、海に浮かぶ世界遺産であること、

信仰の聖地として1,000年以上の歴史があること、

そして、それぞれの国を代表する観光地であるで共通している。

その縁あって、2009年にエリック・ヴァニエ市長を迎え、厳島神社で

「廿日市市・モン・サン=ミッシェル 観光友好都市提携調印式典」が行われました。

だから日本ではモンサンミシェルも有名なんですね。

宮島 嚴島神社は神をいつきまつる島

社殿が海にせり出すように築かれたのは、

「神をいつきまつる島」として崇められていた神聖な土地に建てるのを避けたため。

鎌倉時代からは宮島全体が神社地として保護され、農耕が禁じられてきたことから、

当時のままの姿で保存されてきた。

宮島 嚴島神社の宮島表参道商店街

観光客の定番コースともいえる宮島で最も賑やかな表参道商店街。

大鳥居がみえてくる石鳥居まで約350m、ほぼ一直線に商店街が続きます。

通りの左右には土産物店や食事処、旅館などがびっしりと並び、

名物もみじまんじゅうの店は11件あり、焼きたて味わうことができます。

宮島 嚴島神社の寝殿造り

廻廊が結ぶ社殿は、寝殿造りの影響を強く受けた平安様式。

寝殿造りとは平安貴族の住宅様式で、敷地の中央に寝殿と呼ばれる中心的な建物、

その東西に対屋と呼ばれる付属的な建物、舞や儀式の場となる庭、

その先には瀬戸内海を池にみたてた壮大な日本建築といえます。

宮島 嚴島神社の特徴

嚴島神社の境内は、弓状に広がる遠浅の浜・御笠浜にあります。

干潮時には大鳥居まで歩いていけますが、潮が満ちると社殿や廻廊は海に浮かんでいるよう。

神社が浜に創建されたのは、島全体がご神体とされ神聖視したためとみられますが、

12世紀に平清盛と神主・佐伯景弘によって浄土信仰に基づく極楽浄土を現したものとも言われます。

みごとに自然美と人工美とを調和させたのが嚴島神社です。

宮島 嚴島神社の保存活動

この海辺の聖地の美しい景観を守るため、神社では藻の清掃作業や、

砂州の地ならしなど日々細やかな手入れが行われています。

宮島 嚴島神社の大鳥居(おおとりい)

海面にそびえる朱塗りの大鳥居は、奈良の大仏とほぼ同じ高さの16m、重量は約60t。

主柱は樹齢500~600年のクスノキの自然木で作られており、

8代目にあたる現在の鳥居を建立するにあたっては、巨木探しに20年かかったといいます。

宮島 嚴島神社はどうやって立っている?

根元は松材の杭を打って地盤を強化し、箱型の島木の中に石を詰めて加重するなど、

先人の知恵と工夫によって鳥居の重みだけで立っています

宮島 嚴島神社の本殿(ほんでん)

繊細かつ華麗な切妻両流造りで、正面には緑青塗りの引き違いの菱形の格子戸がはめられた本殿には、

市杵島姫(いちきしまひめ)・湍津姫(たぎつひめ)・田心姫(たごりひめ)の宗像三女神が祭られています。

桧皮葺の屋根に瓦を積んだ化粧棟のスタイルを取り入れた寝殿造りならではの様式が特徴。

現在の本殿は元亀2年(1571年)、毛利元就によって改築されたものです。

宮島 嚴島神社の客神社

御本社と同様に、本殿・幣殿・拝殿・祓殿からなり、

嚴島神社の祭典は、この客神社から始まります。

宮島 嚴島神社の平舞台(ひらぶたい)

寝殿造りの庭にあたる部分で、広さは167.6坪。

前方には火焼前(ひたさき)と呼ばれる突き出た箇所があり、

管絃祭の出御・還御はここから行われます。

この平舞台を支えるのは、毛利元就によって寄進された239本の赤間石の柱。

宮島 嚴島神社の高舞台(たかぶたい)

本社祓殿前にある、黒漆塗りの基壇に朱塗りの高欄をめぐらし前後に階段をつけた舞台で、

平清盛が大阪・四天王寺から移したという舞楽がここで演じられます。

舞楽とは、楽による舞踊のことで、陵王・振鉾・萬歳楽・延喜楽・太平楽・抜頭など

十数曲が、今なお嚴島神社で舞われます。

宮島 嚴島神社の能舞台(のうぶたい)

国内でも唯一の海に浮かぶ能舞台。

現在、重要文化財に指定されている国内5つの能舞台のうちの1つでもあります。

春の桃花祭神能がこの舞台で演じられるほか、茶道表千家と裏千家家元が

隔年交互に執り行う献茶祭ではここでお茶が点てられ御神前に献じられます。

平成3年の台風19号で倒壊いたしましたが、

古材をできるだけ使用し、平成6年に再建されました。

宮島 嚴島神社の反橋(そりばし)

かつては重要な祭事の際、勅使がこの橋を渡って本社内に入ったことから

別名・勅使橋(ちょくしばし)とも呼ばれました。

宮島 嚴島神社の廻廊(かいろう)

廻廊は幅4m、長さは約275m。

床板の間に目透しという隙間があり、高潮の時に下から押しあがってくる海水の圧力を弱め、

海水や雨水を海へ流す役目を果たしています。

宮島 嚴島神社の鏡の池

社殿東廻廊の海中にあります。

潮が引くと丸い池が現れます。

宮島 嚴島神社の朝座屋(あさざや)

寝殿造りの対の屋の特徴が見ることができます。

昔は社家・供僧・内侍が祭典・会合の折に集まったところです。

宮島 嚴島神社の枡形(ますがた)

客神社祓殿と廻廊で囲まれたところを、枡形といいます。

毎年旧暦6月17日に行われる「管絃祭」で御座船や

阿賀・江波の曳船がここで船を3回廻します。

宮島 嚴島神社の揚水橋(あげみずばし)

特徴は「桟の間」という中央に出っ張りがあります。

ここから潮を汲み上げる儀式があったといわれています。

宮島 嚴島神社の卒塔婆石(そとばいし)

揚水橋の下に、鏡池があり、その中の石を卒塔婆石と呼んでいます。

平家滅亡を企てた罪により、僧俊寛・藤原成親らと共に鬼界ヶ島に流された

平康頼が、京に住んでいる老母を偲んで2首の歌を千本の卒塔婆に書いて流し、

その内の1本がこの石の所へ流れ着きました。

宮島 嚴島神社の康頼灯籠(やすよりとうろう)

帰京を許された平康頼が厳島大神に御礼のために奉納したもので、

宮島の中で一番古いものです。

宮島 嚴島神社の内侍橋

嚴島神社にお仕えする巫女を内侍(ないし)といいました。

昔はこの橋を内侍が渡って、神饌をお供えしていたので、内侍橋と言われています。

宮島 嚴島神社の大国神社

通称 : だいこくさん

昔、神饌の仮案所で、ご本社裏の御供所から運ばれてきた神饌をここに置き、

ここから先は、内侍が運びご本殿にお供えされました。

宮島 嚴島神社の天神社

学業の神様です。

能舞台と同じく、素木なのは、社殿群の中では新しい建物で時代が下がるため。

明治時代の初めまで毎月連歌の会が催されていました。

宮島 嚴島神社のイベント

宮島 嚴島神社では一年を通して様々なイベントが催されています。

ここでは一部をご紹介します。

■百手祭
大元神社例祭
百手(1手2本)200本の弓矢を射る御弓始の儀式からきています。
開催日時 : 毎年1月20日

■宮島かき祭り
「かきのせいろ蒸し」・「かきの土手鍋」・「かき雑炊」・「かきフライ」・「かき入りお好み焼き」・「かき卵汁」など宮島かきをふんだんに使ったかき料理が格安で味わえます。
開催日時 : 2月 第2土・日

■みやじま雛めぐり
宮島に古くから伝わるお雛さまを町内の趣ある民家や歴史的施設に展示します。

■宮島清盛まつり
宮島の繁栄の礎を築かれた平清盛公の威徳を偲び、
平家一門の嚴島神社参詣行列をモチーフとしたお祭りです。

■桃花祭
それぞれ桃の花・菊の花を御祭神に供える祭典で、
10曲の舞楽を嚴島神社の高舞台で奉納されます。

■桃花祭神能
桃花祭の翌日である4月16日から3日間執り行われる「能」です。

■大聖院 火渡り式
真言宗御室派大本山大聖院の年中行事で、年2回執り行われ、
「火渡り神事」とも呼ばれています。

■ぐるっと宮島再発見
潮風薫る安芸の宮島を船で1周します。
宮島の七浦・七恵比寿神社を海上から訪ねてみませんか?

■厳島弁財天大祭
厳島弁財天は江ノ島、竹生島と並び
日本三弁財天の一つに数えられており、毎年6月17日には大祭が行われます。

■宮島水中花火大会
水中花火船より海中に投げ込まれた水中花火は大音響と共に炸裂し、
朱の大鳥居や嚴島神社の社殿を幻想的に浮かび上がらせます。

■取祭
毎年満潮時の嚴島神社で行われる祭で、裸の若者が大鳥居の前の海中に
据えられたやぐらに吊された宝珠を奪い合う豪壮な祭りです。

■大願寺 火渡り式
不動明王に帰依し、願望成就の功徳をお持ち帰りいただく儀式です。

■鎮火祭
鎮火祭は毎年12月31日の大晦日、午後6時から嚴島神社の
御笠浜で行われる「火難避け」の祭りです。

宮島 嚴島神社の詳細

名称:厳島神社

住所:広島県廿日市市 宮島町

公開時間:6:30~18:00 冬期17:00まで

電話番号:0829-44-2020

拝観料:大人300円、高校生200円、小・中学生100円

宮島 嚴島神社のアクセス

JR山陽本線・宮島口駅下車から徒歩で宮島口桟橋へ。

宮島口桟橋から宮島フェリー10分で厳島神社。

宮島フェリーはJR西日本宮島フェリーを利用すると

海から大鳥居と厳島神社を眺めることができる。

宮島~原爆ドームは世界遺産航路を利用できる。

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